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人口減少に関連する非デジタル業界に、技術を用いた変革を。今後の技術的な取り組みとは?

ネクストビートのミッション「人口減少の課題をテクノロジーで解決するとは」について、CTOの阿部にインタビューを実施しました。

執行役員CTO 阿部雅哉
慶應義塾大学大学院 理工学研究科卒。新卒で株式会社DeNA へ入社し、主にプラットフォーム事業のシステム設計・開発を担当し、モバイルゲームのAPI 新規開発・運用やアプリ共通の認証基盤等の開発に従事。その後、創業間もないベンチャーへ転職し、機械学習エンジニアとして研鑽を積み、2019年1月エンジニアリングマネージャーとしてネクストビート入社。2022年1月にCTO就任

ネクストビートのミッション「人口減少の課題をテクノロジーで解決する」とはどういうことか?

私たちは、2013年に創業してから、人口減少社会の中で起こる様々な領域の様々な課題に対して、課題解決のプロダクトを創り続けています。その中でも特に、非デジタル業界に対して技術を用いた変革を行うことを重要視しています。

例えば、保育業界において、保育士は「子どもを保育する」以外にもたくさんの業務を行わなくてはいけません。登降園の管理、保育料の計算、園児情報の管理、保育時間の管理、保護者への連絡など、私たちが想像している以上にたくさんあります。

現在、保育園で働く職員の多くがこれらの業務を手作業で行っています。
手作業で行っているがゆえに時間もかかり、ミスも発生しやすいため、残業時間が増え、離職が増え、保育士が足りなくなり、園児を受け入れることができないという負のサイクルが起きています。

ネクストビートでは、この課題に対して保育施設向けの業務支援システム(保育士バンク!コネクト)を開発しており、その開発には多くのテクノロジーが取り入れられています。

しかし、これは保育業界の課題の1つにすぎません。

職員の定着、園児集客、潜在保育士の雇用創出等、業界のデジタル化を推進することで解決できることがまだまだたくさんあります。私たちは、それら一つ一つの課題を解決し、業界そのものを変えていくためにテクノロジーを使っています。

よく「ネクストビートさんって保育支援をやってる会社ですよね?」と言われるのですが、保育業界はあくまで私たちが解決すべき業界の一つです。

現時点では確かに保育関連の事業数も多く、会社を支える収益基盤になっていますが、私たちが解決すべき人口減少に関する業界の課題はまだまだたくさんあるので、これからももっと業界を広げて価値貢献していきたいです。

「非デジタル業界に技術を用いた変革」を行うための技術的な取り組みとは?

業界を取り巻く複雑な課題を解決するために、今後もスピーディに多くのプロダクトを創っていく必要があります。その中では、プロダクトを作るための基盤開発の効率化、プロダクトを立ち上げるための仕組みの自動化を進めないといけません。

プロダクトを創り、ユーザーにフィードバックをもらい、実装した機能が本当に解決策になっているのかを試す、アジャイル開発を高速で回していくことが求められます。

過去にはIonicを採用することによるモバイルアプリ開発の効率化や、自社でハードウェア(IoT)開発を行うことによる機能開発の効率化等を行ってきました。

現在は以下の取り組みを行っています。

■技術の最適化
弊社ではほぼすべてのプロダクト開発においてScala、Angularを用いた開発を行っていますが、今後は、プロダクトのフェーズと戦略に沿った技術を採用していきます。

例えば、弊社にはプロダクト特性上、堅牢性が重視されるプロダクトと、開発スピードが重視されるプロダクトがあります。

開発スピードが重要なプロダクトにおいては、SEO対策のためにSSRができ、学習コストが低くパフォーマンスの良いSvelteKit(2022年12月にVer1.0がリリースされたフロントエンドフレームワーク)を導入しました。

また、このプロダクトでは、NestJSを利用することで、フロントエンド、バックエンドをTypeScriptに統一しています。Scala、Angularといった複数言語取得する学習コストを下げ、Scala ⇔ TypeScript のスイッチングコストをなくすことができ、開発スピードや生産性の向上に大きく影響しています。

■マイクロサービスアーキテクチャでの開発
複雑化した保育業界の課題解決のために、既存プロダクトをプラットフォーム化するにあたり、複数のプロダクト間にまたがるビジネス要件、機能を実現しなければいけません。そのため、各プロダクト間の連携とプロダクト毎の独立したアーキテクチャ構築の必要性が出てきています。

■共通基盤コンポーネント開発
認証基盤、決済基盤等のアプリケーションを作る上で必要になる共通基盤の構築を行い、開発効率の向上と品質担保を狙います。

■品質管理組織の立ち上げ
品質管理に関しては、各プロダクトに一任していましたが、今後は、プロダクト全体での標準的なテストの仕組みを取り入れることで、品質レベルの標準化を図りたいと考えています。

■研究開発プロジェクト「Nextbeat Devlopers Lab」
認証認可の最新仕様の調査、AWSの新機能の検証等、今後、標準となり得る技術的な調査を先行して行い、導入したいタイミングで、スムーズに導入できるような体制にする必要があります。そのためのプロジェクトを2022年より実行しておりますが、今後は組織として立ち上げも行っていきたいと思います。

上記の内容は直近1〜2年でやっていきたいことです。
今後も事業や組織の課題に応じて、柔軟に技術を活用していく組織であり続けます。そして、人口減少に関連する課題を1つでも多く、テクノロジーで解決したいです。